今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
予防的ケア
27.ビタミンD,カルシウム療法
岡崎 亮
1
,
松本 俊夫
1
Ryo Okazaki
1
,
Toshio Matsumoto
1
1東京大学医学部第四内科
pp.974-976
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900977
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高齢化社会への移行に伴い,骨粗鬆症は大きな社会問題となりつつある。骨量は30歳代で最大に達した後,男女とも徐々に減少する。女性では閉経後の数年間に骨量が加速度的に減少することから,現在女性における骨粗鬆症の最大の危険因子はエストロゲン欠乏であると考えられている。
一方,加齢にともない腸管からのカルシウム(Ca)吸収は減少する。その結果,生体のCa平衡が負に傾き,血清Ca濃度を正常域に保つために骨からのCa動員が必要となり相対的な骨塩溶解の亢進がもたらされる。これが,男性および女性における老年期の骨粗鬆症の進展に大きな役割を演じているものと考えられている。
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