今月の臨床 高年婦人科—更年期から老年期へ
予防的ケア
26.エストロゲン補充療法
熊坂 高弘
1
Takahiro Kumasaka
1
1獨協医科大学産科婦人科
pp.971-973
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900976
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閉経後のエストロゲン補充療法Estrogen Re—placement Therapy(ERT)はすでに25年経過したが,近年とくにその血管運動神経障害,骨粗鬆症,心血管疾患に対する有効性が高く評価されている。しかしその使用率は現在欧米でも対象者の15〜20%にすぎない。その大きな理由は医師と患者ともに副作用に対する懸念とエストロゲン欠落症状は加齢による生理現象で医療の対象ではないとする考えによるものである。最近多くのデータの発表によってこれらの考えは徐々に変化しつつあることがうかがわれる。もちろん,閉経婦人すべてに無選択にエストロゲン補充療法を行うことは,これをまったく行わないと同様適当ではない。あくまでも個別的にその必要性を判断して行うべきである。
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