メルボルン便り
体外授精児の精神身体発達の行方
堀口 文
1
Fumi Horiguchi
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科教室
pp.886-887
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900949
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メルボルンでは現在までに3,000人以上のIVF児が生まれていますが,この子供たちが自然に妊娠した子供と同じような発育を遂げることが出来るかどうかについては極めて重大な関心事です。重症な不妊夫婦にとって意識すると否とにかかわらずIVF児は特別な技術を使って出来た子供であり,親子双方にとって互いに幸福をもたらすものでなければなりません。人口の少ないオーストラリアにとって健康な市民をより多く得る方法としてIVFは国家的事業と考えられています。
1986年メルボルンで国際心身産婦人科学会が開催されたとき,IVFで有名なMonash大学の精神科医がIVFには産婦人科のみならず小児科,精神科の医師と心理学者がチームを組んで夫婦と子供達をサポートしているという報告をされ大変興味を持ちました。ストレスの多いIVF technologyにおいては不妊カップルにとり心身医学的配慮は必要欠くべからざるものですが,子供をどのように観察しケアーするのかまだ良く分かっておりません。
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