医療の周辺 生物学—最近の話題・2
体外授精—試験管ベビーの動向
長野 敬
1
1自治医科大学・生物学
pp.1028-1029
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207037
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遺伝子操作のことを前回取上げたが,これと並んで社会から広く関心をひいている生物医学技術として,いわゆる試験管ベビーがある.ただしこの表現が不正確なことはいうまでもない.正しくは単に体外授精というべきもので,現在のところまだ,受精卵が数回の細胞分裂を経たあとで,子宮内にもどるからである.
昨年夏にイギリスで,ステプトー,エドワーズ両博士の手で最初の成功例が発表されたのは,テンポの早い現代ではすでに印象が薄れた感じさえあるが,この10月に第9回国際産婦人科連合世界大会でステプトー博士が来日し,講演したことから,新聞などでも改あて話題として取上げられた(『医学界新聞』1374号など).
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