Japanese
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連載 眼科図譜・302
副腎皮質ホルモンが有効だったLigneous conjunctivitis
A case with Ligneous conjunctivitis
青木 功喜
Koki Aoki
pp.1444-1445
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208763
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緒言:眼限瞼を触診した際に木質のように触れることからBorel1)によってLigneous conjunctivitisと命名された慢性再発性偽膜性結膜炎は稀な疾患である。すなわち本邦では小口2),有賀ら3)の報告がみられるのみである。慢性化する偽膜の刺激で角膜潰瘍から穿孔へと進み失明に至ることもある。その原因は不明であり治療法も確立されていない。今回ステロイドの内服が有効であった1例を経験したので報告する。
症例:10歳,男(56-0044)。1980年9月下旬両眼の眼脂充血がありA医にてアレルギー性結膜炎の診断の下でステロイド点眼により一時的に緩和。1981年1月に右眼眼脂再発B医でアレルギー性結膜炎ということで非ステロイド剤投与,両眼に眼脂がみられ異物感・眼痛が出現,C医で角膜潰瘍ということで菌培養Staphyloceccusepidermidis MCI-P ⧻ TC ⧻ CER ⧻ CET ⧻の感受性テストの結果に応じて抗生剤の投与開始するも効果なく,1981年5月2811初診,Ligneous coniunctivitisの診断の下にウロキナーゼ(200単位/ml),ヒアロニダーゼ(200単位/ml),α—キモトリプシン(200単位/ml)の点眼,偽膜剥離を行うも偽膜は再発性であった。
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