今月の臨床 分娩前後の1週間
ルーチン・ケア
7.分娩誘発の手順
三宅 良明
1
,
宮川 康司
1
,
幾石 泰雄
1
,
松浦 真彦
1
,
佐藤 和雄
1
Yoshiaki Miyake
1
1日本大学付属病院産婦人科
pp.532-534
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900839
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本来,分娩は生理的現象であり,その80〜90%は人為的操作を加えることなく自然に陣痛が発来し正常分娩に至るが,残りの10〜20%は自然放置すれば母体,胎児死亡などの異常経過をとることになる。そこでこれらに対して分娩誘発(陣痛発来以前に人工的に子宮収縮を起こす)を行うわけである。幸い,近年周産期医療やNICUの進歩とともに母児管理が容易になるとともに,早産未熟児の生存率も向上してきたため,比較的安全に分娩誘発が可能となってきた。しかし,一方では子宮破裂,弛緩出血による母体死亡や胎児,新生児仮死,脳性麻痺を引き起こし,医療過誤訴訟の一因ともなりかねない。従って,分娩誘発を行う際にはその適応と要約を十分守り,これに伴う異常や合併症に常時対応できる管理体制が必要となるとともに予期せぬ医療紛争を避け,心の通った患者参加型の医療を目指すために,必ずインフォームドコンセント(承諾書,IC)をとることが必要である。
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