特集 症例にマッチする分娩誘発アプローチ
5.HDPに対する分娩誘発
成瀬 勝彦
1
K. Naruse
1
1奈良県立医科大学産婦人科学教室
pp.391-395
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001687
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
妊娠高血圧症候群(HDP)では妊娠終結が唯一の根本的な治療法であり,分娩誘発も選択肢となることがある。十分な頸管熟化が得られれば,血圧の重症度,母体臓器障害や胎児機能不全の状態をみながら慎重に誘発を行う。誘発は24時間以内にとどめるべきとする意見もある。誘発に用いる薬剤はほかの誘発と特に変わりはないが,ジノプロスト注射薬には昇圧作用があるとされるため慎重投与が必要である。硬膜外麻酔併用分娩もよい。誘発中は胎児機能不全が起こりやすいほか,血圧の上昇と子癇発作に厳重に注意し,それぞれカルシウム拮抗薬と硫酸マグネシウム注射薬で速やかに対応する。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.