今月の臨床 不妊治療の進歩
排卵
6.高プロラクチン血症の治療
菅沼 信彦
1
,
廣岡 孝
1
,
成田 収
2
Nobuhiko Suganuma
1
,
Takashi Hirooka
1
,
Osamu Narita
2
1名古屋大学医学部産婦人科学教室
2成田病院
pp.410-412
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900803
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不妊・挙児希望を主訴に産婦人科を受診する患者のうち,排卵障害を呈するものが多く占める。内分泌学的検索が比較的容易となった昨今,高プロラクチン(PRL)血症性排卵障害は,重要な原疾患である。本稿では高PRL血症の治療についてわれわれが現在臨床にて行っている方法につき概説する。
高PRL血症は,非生理的にPRLが分泌過剰状態になり,正常な排卵機構が阻害され,不妊原因となったり,乳汁分泌を呈したり,流産の一因になるとも考えられている。PRLは,夜間に上昇する傾向があるという日内変動も存在するので,昼間の血中濃度は正常だが夜間のみ上昇するものや,TRH負荷試験で過反応を示すのみのものなどもあり,これらの潜在性高PRL血症も高PRL血症と同様に治療を行う1〜3)。
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