今月の臨床 不妊の原因を探る
無排卵・無月経
9.プロラクチン値の評価
菅沼 信彦
1
,
広岡 孝
1
Nobuhiko Suganuma
1
,
Takashi Hirooka
1
1名古屋大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.1176-1177
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901469
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不妊・挙児希望を主訴に産婦人科を受診する婦人のうち,排卵障害を呈する症例は数多い。内分泌学的検索が比較的容易となった昨今,高プロラクチン(PRL)血症性排卵障害は重要な原因疾患である。したがって,血中PRL値の評価は不妊症の診断に必要不可欠と言っても過言ではない。
PRLは脳下垂体から分泌される蛋白ホルモンで,乳腺に作用して乳汁分泌を促したり,間脳—下垂体—卵巣系に作用して排卵を抑制するなどの生理作用を有する。その分泌は視床下部からの抑制因子(ドーパミンなど)や促進因子{vasoactiveintestinal polypeptide,セロトニン,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)など}による支配を受けている。
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