今月の臨床 子宮内膜症
診断と臨床期分類
13.腫瘍マーカー
根岸 能之
1
Yoshiyuki Negishi
1
1東京医科大学産婦人科
pp.45-47
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900698
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近年,産婦人科疾患の中で子宮内膜症の頻度が著しい増加を示しているため,その診断ならびに治療法に大きな関心がよせられている。従来,子宮内膜症の診断とくに臨床進行期の診断は,腹腔鏡または開腹術によって確定されている。特に最近では卵巣癌の診断に有用とされている腫瘍マーカーCA125が,子宮内膜症の診断と治療効果判定に役立つことが証明され,臨床応用がなされている。一方,基礎的には異所子宮内膜腺管上皮培養細胞からCA125の産生に関する検討がなされ,CA125が子宮腺筋症の血清診断に役立つことも示唆されている。そこで今回,CA125に加えてCA19-9,CA72-4を用いて子宮内膜症とくに内膜症性嚢胞患者を中心に,その臨床的有用性を検討した。さらに免疫組織化学的染色によって各種瘍マーカーの組織局在についても検討した。
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