今月の臨床 外来でみる感染症
感染症とその治療
23.PID
中村 隆一
1
,
曽我 洋士
2
Ryuichi Nakamura
1
,
Hiroshi Soga
2
1国立京都病院産婦人科
2曽我産婦人科
pp.960-962
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900524
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本来,解剖形態学的な男女の大きな差異は,外見的休型や外生殖器の相違もさることながら,外界から完全に遮断された男性の腹腔に比べて,女性の腹腔は—腹腔内に排出された卵子を体外まで妊娠娩出する通路を持つため—外界と交通していることだと言える。
月経血の骨盤腔への逆流はしばしば見られるし,恐らく性交の度ごとに多くの精子が卵管の膨大部に到達し,その一部は釆を通過して時には腹腔まで上昇し得ることを考えると,女性の骨盤腔は常時細菌感染に曝されていると思うべきである。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.