今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで
性感染症と産婦人科疾患
2.付属器炎・PIDの起炎菌
保田 仁介
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.32-34
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904224
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はじめに
PID(pelvic inflammatory diseases)とは腟や頸管に存在する微生物の子宮内膜,卵管への上行性感染,さらにその周辺組織へ波及した感染などによる急性の感染症状の「総称」であるが,欧米では卵管炎をPIDと称していることが多く,またこれに起因する膿瘍性の疾患をTOA(tuboovar—ian abscess)と呼んでいる.
わが国では骨盤内感染症とPIDをともに子宮内感染や腹膜炎も含めて内性器感染症の総称として使用していることが多いが,骨盤内感染症の中の卵管炎を中心とした感染症をPIDと考えるほうが理解しやすい.
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