今月の臨床 今日の癌検診
子宮体癌
9.体癌細胞診の問題点—診断のポイント
井上 芳樹
1
Yoshiki Inoue
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.656-657
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900443
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子宮体癌の診断法には細胞診,組織診,子宮鏡診などがあるが,そのうちでも細胞診はその手技の簡単なこと,患者に与える苦痛の少ないことなど体癌のスクリーニング検査として利点があり,老健法ではそのスクリーニングの手段として内膜細胞診を行うことになっている。しかしながら,体癌における内膜細胞診の正診率は90%前後との報告が多く,頸癌における頸部擦過細胞診ほど正診率は高くないといわれている。この理由として内膜細胞を100%確実に採取しうる内膜細胞採取法がないこと,細胞診上体癌細胞の診断基準が十分整理されていないことなどがあげられる。今回は細胞採取を行うにあたっての注意点,さらには細胞診断をする上での問題点および細胞診の結果を正確に理解する上での注意点について述べる。
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