今月の臨床 子宮体癌の最新知見─専門医のために
子宮体癌の細胞診・組織診
木口 一成
1
,
小野 晃子
2
,
星川 咲子
2
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
2聖マリアンナ医科大学病院病理
pp.120-125
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101117
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はじめに
わが国では近年体癌が急激に増加しつつあり,日本産婦人科学会婦人科学会によると,子宮癌に占める体癌の割合はこの20年ほどの間に15%から45%近くまで上昇している1).体癌の特徴の1つは年齢分布にあり50歳代に大きなピークがあり,60歳代がこれにつぎ,39歳以下の若年症例は10%以下と非常に低い.また,主訴の90%以上が不正性器出血であり,ハイリスク因子も肥満や少ない妊娠回数であることも明らかにされつつある.したがって,検診の効率化をはかるためには,スクリーニングの対象をこれらのグループにある程度限定する必要があろう.スクリーニング方法としては,内膜細胞診が普及しているが,頸部の細胞診と異なり構造異型に着目した判定の習熟が必要である.さらに判定が偽陽性または陽性の場合における,正確で患者への侵襲の小さい内膜組織診の技術も要求される.
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