臨床研修セミナー 外来診療指針
II.不妊外来
不妊外来のすすめ方
石丸 忠之
1
,
布施 正樹
1
Tadayuki Ishimaru
1
,
Masaki Fuse
1
1長崎大学医学部産婦人科教室
pp.900-906
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900176
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不妊外来診療をすすめていく上で最も大切なことは,系統的な取扱い方針を立てて,迅速かつ的確に不妊原因を検索し,その原因に応じた個別的治療を行うことである。不妊婦人の診療は一般の婦人科診療とは異なり精神的苦痛を持つ人が少なくなく,時間をかけた対応が要求される。したがって,不妊症専門外来を設けて診療にあたる必要がある。本稿では,私どもの教室における不妊外来取扱い方針の概略をflow chartで示し,診断過程における検査の意義や問題点について述べる。
まず不妊外来患者に対し,詳細な問診を行った上で基礎体温(BBT)の記録をもとに排卵例と無排卵例に大別し,系統的な検査を進めていく。したがって,初診時にBBTの記録がなされていない場合は少なくともBBTを1〜2ヵ月間記録させた後に診療方針を立てる。
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