今月の臨床 子宮頸がん撲滅へ向けた戦略―ワクチンと検診の新たなトレンドは?
大規模疫学研究・社会医学研究
OCEAN STUDY
八木 麻未
1
,
上田 豊
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
キーワード:
子宮頸がん
,
HPVワクチン
,
がん検診
Keyword:
子宮頸がん
,
HPVワクチン
,
がん検診
pp.526-531
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211278
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●大阪府におけるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン有効性評価研究(OCEAN STUDY)では,中間解析としてハイリスク型HPV感染率,HPV16/18型感染率が非接種者に比し接種者で有意に低下していることを報告した.
●OCEAN STUDYの中間解析では細胞診・組織診異常率の低下はまだ認められなかったが,その原因としては,症例が蓄積中であることと,接種群ではHPV16/18型以外の感染割合が増加しており,これらの型による細胞診・組織診異常が発生している可能性が考えられた.
●無料クーポン券や母親を介した子宮頸がん検診受診勧奨は一定の効果があるが,課題もあり,日本における子宮頸がん検診受診率の向上には,子宮頸がん検診に関する情報提供,検診体制の構築やアクセス改善に加えて,「がん教育」など受診対象者の予防意識向上と行動変容につながる複合的な方策が求められる.
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