今月の臨床 早産予防・治療の現在地―最新の標準を探る
切迫早産の治療
糖尿病合併/妊娠糖尿病妊婦の切迫早産管理
衛藤 英理子
1
,
増山 寿
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域産科・婦人科学
pp.827-831
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211043
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●糖尿病合併/妊娠糖尿病妊婦では,羊水過多症や易感染性による切迫早産のリスクがある.
●切迫早産の治療薬である塩酸リトドリンには血糖値を上昇させる副作用があり,希釈溶液としても5%ブドウ糖注射液または10%マルトース注射液が使用されるため,血糖値が上昇しやすい.また,硫酸マグネシウム水和物にもブドウ糖が含まれるため,特に塩酸リトドリンとの併用症例では血糖値の上昇に注意する.
●胎児肺成熟や頭蓋内出血予防目的にベタメタゾンが投与される場合には,母体の高血糖から周産期合併症をきたす可能性があり,血糖管理に留意する必要がある.
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