特集 多胎妊娠2025
多胎妊娠と母体合併症 切迫早産
藤野 佐保
1
,
兵藤 博信
1
FUJINO Saho
1
,
HYODO Hironobu
1
1東京都立墨東病院産婦人科
pp.316-319
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002068
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はじめに
双胎妊娠の早産率は単胎妊娠に比して高く,約60%が37週未満の早産,約20%が34週未満の早産であり,これは単胎妊娠の約7〜9倍のリスクである1)。当院では,2017年10月~2024年9月の7年間に出産した双胎症例327例において,37週未満の早産が105例(32.1%),34週未満の早産が36例(11%)であった。既存の報告より少ないものの,双胎妊娠に早産が多いことは異論のないところであろう。双胎妊娠は妊娠高血圧症群や胎児発育不全,双胎間輸血症候群の発症リスクが上がるため,人工早産の頻度が上昇しそうだが,双胎妊娠の早産理由は約60%が医学的適応,約30%が自然陣発,約10%が前期破水といった報告2)にも示されるように,単胎妊娠の早産理由と比較しわずかに医学的適応が多いのみである。

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