特集 切迫早産—最近の治療とケア
切迫早産妊婦の看護の実際
谷脇 文子
1
,
高嶋 文子
1
1高知医科大学医学部附属病院2階西病棟・周産母子センター
pp.576-581
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901970
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はじめに
当高知医科大学附属病院は,ハイリスク妊産婦・新生児に対する地域の周産期集中医療施設として,母体搬送を受け入れている。母体搬送の割合は図1のように年次ごとに増加傾向を示し,1994年以降は,当院における全分娩数の50%以上を占めている。ハイリスク妊娠の割合はさらに高率で1993年以降70%を超過し,1994年は83%に達している。切迫早産や早産発症の可能性が高いpreterm PROM(premature rupture of the membranes)は,当院における母体搬送例のほとんどを占めている。また,preterm PROMは,低体重児出生の主な原因となっていることもよく知られており,その発症機序については,上行性感染による絨毛膜羊膜炎や頸管炎に加え,羊水中の胎便の関与等が言われている。
本稿では,当院における切迫早産妊婦への医療・看護の実際と,入院管理により,生児を得ることができた2症例の看護上の問題点を取り上げ,切迫早産妊婦の看護における,助産婦に期待される役割について考えてみたい。
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