今月の臨床 産科救急―意識障害と危機的出血の初期対応
母体救急疾患
羊水塞栓症―病態と診断
小田 智昭
1,2
1浜松医科大学産婦人科学講座
2Department of Pathology & Immunology, Baylor College of Medicine, Division of Transfusion Medicine & Coagulation, Texas Children's Hospital
pp.451-459
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210978
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●特に妊娠や分娩に関するリスクがなくても,分娩中,分娩直後に突然発症し,主に意識障害,痙攣,呼吸困難,心停止,ショック,出血傾向,弛緩出血の症状を呈する.
●破水を契機として母体の肺,子宮,心臓の肥満細胞と補体系が活性化(アナフィラクトイド反応)することが発症あるいは病状の増悪につながると考えられる.
●上記症状に加え,出血量に見合わないフィブリノゲン値低下(消費性凝固障害)とフィブリン分解物質やDダイマー値上昇(線溶亢進)を認めたら臨床的に診断し,すぐに輸血を始め止血戦略を考える.
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