症例
反復するparasitic leiomyomaに良性転移性平滑筋腫を併発していると考えられた1例
清水 拓哉
1
,
雨田 恵
1
,
大谷 清香
1
,
苅部 瑞穂
1
,
美濃部 奈美子
1
,
木林 潤一郎
1
1横浜総合病院産婦人科
pp.815-819
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210766
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▶要旨
近年,子宮筋腫での腹腔鏡下手術における検体回収時に細断化された筋腫核が腹腔内に生着・発育したり,腹腔外に転移する症例がある.今回,parasitic leiomyoma(PL)に良性転移性平滑筋腫(BML)を併発していると示唆される1例を経験したので報告する.患者は44歳,0妊0産.5年前に他院で腹腔鏡下子宮筋腫核出術の既往があった.他院で経過観察していたが,閉院に伴い紹介受診した.MRI検査で子宮に多発する腫瘤を認め,腹腔鏡下子宮全摘術を施行する方針とした.術中,PLを複数認めた.腫瘤は病理検査で平滑筋腫と診断した.術後2年目の外来検診で多数のPLを認めたので再度,腹腔鏡下筋腫核出術を施行した.術後にGnRHa療法を行ったが,休薬期間中のCT検査でPLの再発,肺野にBMLを認めた.再発抑制が困難であり,腹腔鏡下両側付属器切除術,筋腫核出術を施行した.その後の定期検査ではPLの再発やBMLの増大は認めていない.
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