今月の臨床 生殖医療・周産期にかかわる法と倫理―親子関係・医療制度・虐待をめぐって
新しい家族のかたちをめぐる諸問題
婚姻・妊娠・出産をとりまく法と産婦人科の接点
久具 宏司
1
1東京都立墨東病院産婦人科
pp.536-545
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210718
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●離婚後300日以内に生まれた児は前夫の子と推定するのが本則である.離婚後に懐胎したことが証明されれば本則は阻却されるが,そのためには医師による客観的な証明書が必要である.
●女性は,離婚後100日間の再婚禁止が本則である.離婚後に妊娠していない期間があることが証明されれば本則は阻却されるが,そのためには医師による客観的な証明書が必要である.
●婚姻・出産に対する社会の価値観の変化や,虐待,無戸籍など児童をめぐる社会問題の増加を背景に,法制審議会において嫡出推定制度の見直しが進められている.今後の動向には注意を要する.
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