特集 暮らしをとりまく環境と保健活動
健康をとりまく生活環境
松本 暢子
1
1大妻女子大学社会情報学部
pp.511-518
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900715
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
健康と住居・住環境
健康的な暮らしを送るためには,その基盤となる住居1)および住居を中心とした住環境が良いか悪いかは,健康に大きな影響を与える重要な問題である。従来から,住宅と健康についての研究やその重要性は多く指摘され,公衆衛生学では重要な研究分野と位置づけられている。
また,世界保健機関においても「住居の公衆衛生的観点に関する専門委員会」(1961年)が設置され,健康的な暮らしを送るために良好な住居と住環境を整備していくために,「健康な居住環境の定義」を提案している2)。しかし,こうした提案の理念は理解されながらも,実践に結び付けるような動きはいまだ十分ではない。法制度などが整備され,こうした提案を担保して初めて実践されるのである。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.