増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために
不妊・不育
人工授精を行うにあたっての患者説明
近藤 哲郎
1
,
河野 春香
1
1昭和大学江東豊洲病院産婦人科
pp.155-158
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210328
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必ず説明しておくべきこと
◆人工授精という言葉で患者が誤解,身構えないように説明する.子宮内精子注入法(IUI)のほうが患者にとってわかりやすいかもしれない.体外受精とは異なり,子宮内に精子を入れる手助けをする治療であり,自然妊娠に近い治療法であることを理解してもらう.また,精液を得るため夫(提供者)の協力が不可欠であるため,夫(提供者)の理解が重要である.
◆卵管が開通していること,排卵が可能であること,重度の乏精子症および無精子症でないことが実施の条件である.これらの条件を満たしても妊娠に至らない場合がある.期待される妊娠率は,患者年齢での想定を超えることはないと考えられる.
◆人工授精特有の副作用と,一般的な妊娠合併症の可能性との両方がある.
◆人工授精の回数については6回程度を目安にしている施設が多いが,症例によってステップアップについてマネジメントする.
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