ラジオ・メモ
人工授精の話(その2)
安藤 畫一
1
,
宮田 重雄
1慶応義塾大学
pp.30-33
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200685
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宮田 こんにちは,皆さん,今日もまた,慶応の安藤先生にお出でを頂きまして,この前の続きの「人工授精」のお話を伺うわけでございます.この前,いろいろお話を頂きまして,丁度,お母さんは問題はないと,どうもお父さんの気持が問題になるというところから,しかし多くの人工授精をやられた家庭で後悔されている方は一つもないというところで丁度時間が参りましたが,その続きを伺うわけでこざいます.どうも安藤先生ありがとうございます.
安藤 どうもまあ,私共の気持としましては,宗教という問題を離れますと,各方面に特別に異議はないと思います.私共としては医学的な立場から考えて,全然正しい方法で医者として,不妊の治療法としての最後の手段でありますから,やらなければならないと思つております.実際これを行いまして,成功した人の,両親の喜びをみますと,ますます我々は勇気が出て来るのです.実はこの前もお話しましたように出来るだけ秘密にしているのですが,子供を得た両親は嬉しさの余りに大つびらに吹聽するというような状況をよく見られるので.
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