講座
不妊症と人工授精
飯塚 理八
1
1慶応大学産婦人科教室
pp.52-55
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201176
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はしがき
下妊症に古くて新しい問題である.有から無となす産児制限避妊の場合よりも無から有とする不妊治療の困難さは云うまでもなく,一家にとつても子宝なき夫婦の嘆きは切実である.昭和23年我が教室に家族計画相談所が設置され特に不妊問題を積極的に取上げて,いくたの不妊症の方々の相談相手となり1日20組から30組の夫婦を診断し治療にあけくれてきた.その間本邦における最初の非配偶者間人工授精に成功し200例余の施術成功例をあげている.しかし人工授精は不妊治療の方法としては正道なものではなく一隅に立つものである.こゝに些か当所において日常行われている不妊症の方々の取扱に関して述べてみたい.
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