今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策
疾患別対処法
羊水塞栓症の診断と治療
田村 直顕
1
1浜松医科大学産婦人科教室
pp.874-879
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209809
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●羊水塞栓症の典型的な3徴は,急性の呼吸不全(低酸素症),心血管虚脱(低血圧/心停止),DICに伴う産科異常出血である.
●初発症状による臨床診断が主体となるため,可能な限り,鑑別および除外診断を行うとともに,血清補助診断も有用な手段と考える.
●分娩後発症は新鮮凍結血漿の投与を主とした抗DIC対策を,分娩前発症は死戦期帝王切開を想定した対応を行う.日頃の備えとしてシミュレーションが役立つ可能性がある.
●病態を考慮した治療法としてA-OK療法,lipid emulsion,C1インヒビター濃縮製剤などの報告があり,今後の発展と応用が期待される.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.