増刊号 産婦人科当直医マニュアル―慌てないための虎の巻
III 産科編
1 緊急対応を要する分娩時・分娩後疾患
5.羊水塞栓症
金山 尚裕
1
1浜松医科大学産婦人科学教室
pp.108-111
発行日 2013年4月20日
Published Date 2013/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103343
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当直医へのcall
◆分娩1期あるいは2期には過強陣痛・下腹痛を伴う原因不明の胎児機能不全としてcallされやすい.破水後には過強陣痛を伴う遷延性徐脈,高度変動一過性徐脈,遅発一過性徐脈が出現する.胎児因子,臍帯因子,胎盤因子で説明できない胎児機能不全である.
◆分娩後にサラサラした出血,子宮弛緩,血圧低下がみられる.胎盤娩出後,会陰の縫合中に非凝固性の出血を認め,その後に短時間で子宮からの大量出血となる.
◆胸痛,胸部苦悶,意識消失,失禁 : 羊水塞栓症には意識消失がしばしば伴うことを念頭に置く.意識消失=子癇や脳出血と考えない.
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