特集 産科DIC
病因と病態
羊水塞栓症
米山 剛一
1
,
荒木 勤
1
Koichi Yoneyama
1
,
Tsutomu Araki
1
1日本医科大学産婦人科学教室
pp.711-717
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207837
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羊水塞栓症(amniotic fluid embolism)の発生頻度は稀とされている。しかし,本症は突発的に発症し,急激な経過をたどって産科ショックに陥り,妊婦死亡をきたす率の高い疾患であることから,長い間その病因,病態論が種々の角度から論ぜられてきた。
すなわち,1926年のMyer1)による症例報告に始まり,1941年にはSteiner & Lushbaugh2)が羊水塞栓症8剖検例の所見と動物実験の研究成績を報告した。それ以後本症は分娩中または分娩直後に羊水成分が妊産婦血中に流入し,呼吸障害,ショックをひき起こす重篤な疾患であるという概念が確立された。
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