症例
妊娠19週の腹腔妊娠において,造影CTおよびMRI検査が胎盤の評価に有用であった1例
安部 真希子
1
,
木村 博昭
1
,
廣岡 千草
1
,
春成 淳平
1
,
河原井 麗正
1
,
太田 正志
2
,
井上 泰
3
,
平敷 好一郎
1
1国保直営総合病院君津中央病院産婦人科
2国保直営総合病院放射線科
3国保直営総合病院病理検査科
pp.279-284
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209610
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
▶要約
症例は38歳,5妊4産.妊娠反応陽性のため前医を受診し,胎児死亡の診断で,最終月経より妊娠19週2日に当院を受診した.超音波検査では子宮内に胎児を認めず,子宮漿膜面に胎盤付着,その頭側に浸軟した胎児を認め,腹腔妊娠と診断した.造影CTおよびMRI検査にて胎盤は子宮動脈より栄養され,子宮漿膜面に広範に癒着していると考えられた.術中所見では胎盤は子宮と右卵巣固有靱帯に及んでおり,子宮と右付属器とともに胎盤を完全に摘出することができた.術後経過は良好で,術後8日目に退院となった.
妊娠中期以降の進行した腹腔妊娠では,手術時に胎盤の処理に苦慮することが多い.術前の造影CTやMRI検査は,胎盤の栄養血管や癒着の程度の評価に有用であると考えられた.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.