診療室より
腹腔妊娠
斉藤 正実
pp.64-65
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201291
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最近,腹腔妊娠を経験したので,その経過を簡単に,
患者は24才の未産婦,以前,業態婦だつたことがあるらしいが,この点はあまりはつきりしない.家族歴には特に変つたことはない.初経は17才,以来,概ね順調であるが,月経時には頭痛と腰痛を感ずるという.今までに3回妊娠して,3回とも流産してしまつたが,平常3〜5日間の月経が1週間以上続いて,かかりつけの医師に診てもらうと流産と診断されて,掻把手術を受けた由.かきだしたものを顕微鏡で検査して絨毛の存在をたしかめたものではないので,間違いなく流産だつたか否かは不明である.
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