今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー
母体・子宮側因子による流産・不育症
血液凝固異常症─第Ⅻ因子・プロテインS欠乏症を含めて
藤田 太輔
1
,
寺井 義人
1
,
大道 正英
1
1大阪医科大学産婦人科学教室
pp.836-845
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209152
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●第Ⅻ因子欠乏症は,出血性素因がなく,血栓性素因に関しても証明されていない.また不育症との関連性についても不明である.
●プロテインS欠乏症は本邦における先天性血栓性素因のなかで最も頻度が高い.静脈血栓塞栓症のリスク因子であり,不育症(特に妊娠中期・後期死産)との関連がある.
●第Ⅻ因子欠乏症合併妊娠とプロテインS欠乏症合併妊娠の問題点は,不育症の治療目的で抗血小板療法や抗凝固療法をすべきかどうかについて確固たるエビデンスがない点である.
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