今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー
母体・子宮側因子による流産・不育症
抗リン脂質抗体症候群
高桑 好一
1
,
吉田 邦彦
1
,
能仲 太郎
1
1新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター(産婦人科)
pp.828-834
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209151
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●抗リン脂質抗体が不育症のリスク因子として重要であり,「抗リン脂質抗体症候群」の診断基準が示されているが,既往異常妊娠歴などについて診断基準には合致しない「抗リン脂質抗体陽性不育症例」も存在する.
●抗リン脂質抗体による不育症の発症メカニズムとして,絨毛間腔における血栓形成亢進とともに抗リン脂質抗体による絨毛組織に対する直接障害が重要である.
●抗リン脂質抗体陽性不育症に対する治療については,発症メカニズムを考慮した場合,抗凝固療法に加え免疫抑制療法を併用することが理論的に重要である.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.