特集 治療最新のトピックス
感染
婦人科手術後の感染予防対策
田部井 徹
1
Toru Tabei
1
1赤心堂病院産婦人科
pp.1222-1223
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208153
- 有料閲覧
- 文献概要
手術後に発生する感染を予防することは,術後患者を管理する上に極めて重要である。術後感染は,宿主である患者体内の抵抗力が低下し,逆に感染部あるいは創部における細菌の病原性が増加して,両者のバランスが失われると発生する。したがって,術後感染を予防したり治療したりする際の対策は,輸血輸液などにより全身の栄養状態を改善し,免疫賦活剤,抗炎酵素剤などを投与して病原菌に対する患者の抵抗性を上昇させるか,局所の消毒滅菌を行い抗生物質などの抗菌剤を投与する。
近年,数多くの新しい抗生物質が開発され,術後感染の予防あるいは治療に使用されているが,抗生物質の有効性や適切な投与方法に関する検討はあまり行われていない。抗生物質の投与が,術後感染の発生を予防する効果を示すことは明白であるが,抗生物質の乱用をいましめる立場から予防的投与に否定的な意見もある。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.