Modern Therapy 症候群の取扱いをめぐって
精神神経症状を伴う症候群
田部井 徹
1
Toru Tabei
1
1国立病院医療センター,産婦人科
pp.386-390
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206250
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症候群という名称は,英語のsyndromeであり,その語源は「同時に生ずる」というギリシャ語に由来する。すなわち,背景にある病因は不明であるがいくつかの特徴ある症状が同時に現われる病像を症候群という。ときにいくつかの別な疾患群が集まっているのみであるが,同じメカニズムで同じ症状を示すときにも症候群と呼ぶことがある。産婦人科領域においても,数多くの症候群が知られているが,なかでも多いのは内分泌系に関連したものと神経系に関連したものであろう。以下,あまり多くはないが,産婦人科領域に特有な症状と精神神経症状がともに主症状である症候群について,以下,簡単に述べる。しかし,特定な症候群の患者でたまたま産婦人科に関連した疾患に罹患したために産婦人科に特有な症状が出現したような場合は,産婦人科領域の症候群といい難いので,本論文からは除外した。各々の症候群の病因病像を知り,正確な診断をすることが治療にあたっては重要であろうと思われるので,これらの点を中心として以下に述べ,治療については簡単な記述にとどめた。
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