薬の臨床
婦人科手術後の感染予防に対するネオマイゾン投与成績について
舟木 憲一
1
,
安達 寿夫
1
Kenichi Funaki
1
,
Toshio Adachi
1
1東北大学医学部産科婦人科学教室
pp.173-174
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205006
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ネオマイゾン(チオフェニコール)は図1に示すような構造式を有するクロラムフェニコールの誘導体で塩酸アミノ酢酸チアソフェニコールの注射液である。
チオフェニコールの抗菌力はクロラムフェニコールにほぼ似た抗菌力を示し,一方クロラムフェニコールほど容易に体内で不活性化されずに尿中または胆汁中に排泄され,尿中または胆汁内濃度が高くかつ持続的であるため,呼吸器,胆嚢,尿路感染に有効であるとされている1)。その抗菌力はブドウ球菌,レンサ球菌,ミクロコックス,大腸菌,赤痢菌,パラチフス菌,変形菌,クレブシェラ,嫌気性菌やリケッチアにすぐれ,かつ耐性菌を生じ難いといわれる,ネオマイゾンG注はきわめて溶けやすく,pH7以下の溶液に安定して溶解し,また筋注,静注いずれも可能である。
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