特集 治療最新のトピックス
腫瘍
悪性卵巣腫瘍の手術療法
寺島 芳輝
1
,
佐々木 寛
1
Yoshiteru Terashima
1
,
Hiroshi Sasaki
1
1東京慈恵会医科大学産科婦人科学教室
pp.1180-1181
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208136
- 有料閲覧
- 文献概要
Ⅰ.概念
悪性卵巣腫瘍の治療は現在,手術療法と化学療法が主流となっている。しかし化学療法の効果は中等度であり,悪性リンパ腫,絨毛性疾患,睾丸腫瘍ほどは効果的でないが,胃癌・大腸癌ほど無効でない。このため初回手術療法における手術完遂度が重要な予後因子となっている。特に進行卵巣癌では残存腫瘍径,腫瘍量によって予後が左右され,残存腫瘍径2cmを境にして予後に有意の差があるといわれている。このため現在,悪性卵巣腫瘍の手術療法は拡大手術の傾向にあり,徹底したcyto—reduction surgeryが主流となりつつある。また後腹膜リンパ節郭清術の必要性が検討されつつあり,ここ数年のうちにその意義が判明することであろう。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.