特集 治療最新のトピックス
周産期
産科DICの救急処置
太田 孝夫
1
Takao Ota
1
1帝京大学医学部産婦人科学教室
pp.1178-1179
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208135
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Ⅰ.概念
産科DICの治療用として最も新しく導入された薬剤の1つにアンチトロンビンⅢ(ATⅢ)製剤がある。
ATⅢは肝臓で産生される分子量約59,000の糖蛋白質で,α2グロブリンに属し,血中に約30mg/dl存在する血液凝固阻止物質である。ところが,血管内で何らかの原因により血液凝固性が亢進すると,ATⅢは急激に消費され,その血中濃度は低下し,DICは進行する。
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