特集 Challenging complicationsと分娩のタイミング
自己免疫疾患—SLEを中心に
木下 勝之
1
,
竹田 省
1
,
小島 俊行
1
,
石原 理
1
,
佐藤 和雄
1
,
坂元 正一
1
Katsuyuki Kinoshita
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.855-860
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208067
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自己免疫疾患は,遺伝,感染,代謝異常,性ホルモン等の影響で免疫調節の破綻が生じ,自己抗体が産生され,その結果,組織障害や臓器の機能異常をきたした状態である。一方,妊娠も半同種移植片である胎児胎盤系が拒絶することなく生着した状態である。
このような自己免疫疾患が免疫の背景をもった妊娠に合併すると,臨床的に習慣性流産,死産,新生児異常等重篤な問題をもたらすことが知られている。そこで,本稿では自己免疫の概念の変化,妊娠の免疫的背景を述べ,次いで自己免疫疾患の代表であるSLEをモデルにSLE合併妊娠の問題等につき概説する。
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