講座 実地医家のための不妊症治療講座・7
遅延排卵と黄体機能不全
木下 勝之
1
,
佐藤 和雄
1
,
坂元 正一
1
Katsuyuki Kinoshita
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.482-485
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207624
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不妊症例の3〜10%が黄体機能不全によるといわれるように1,2),原因のいかんによらず,黄体の機能異常によるプロゲステロンの分泌低下が子宮内膜の形態機能分化を障害し,さらに妊卵の正常な発育を阻害する結果,着床障害や妊娠初期流産を招来するものと考えられる。
このような黄体機能異常の成因を検索すると,黄体そのものの異常より,むしろ視床下部下垂体系を含めた卵胞期の機能異常のために,排卵はするものの,卵胞細胞の黄体化あるいは黄体機能全開過程が正常に機能しないことが明らかとなってきた。そこで,本稿では卵胞発育が遅延し卵胞期が20日以上に延長して,後に排卵する,いわゆる遅延排卵周期と黄体機能不全について述べることとする。
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