明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
II.生殖・内分泌
排卵時期の診断
木下 勝之
1
,
岡井 崇
1
,
椋棒 正昌
1
,
堤 治
1
,
鹿志村 文子
1
,
佐藤 和雄
1
,
坂元 正一
1
Katsuyuki Kinoshita
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.251-254
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206968
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来,臨床的に排卵日を推定するには,基礎体温あるいは頸管粘液の性状や量を参考にしていたが,正確さの点で問題があった。
近年,超音波断層法による卵胞発育の観察が可能となった結果"すでに排卵した"ことの診断が,また卵胞の最大径から,1〜2日後には排卵が起こるだろうと推定することも出来るようになった1,2)。しかし,より正確な排卵時期の推定は,体外受精のための採卵時期決定に,またAIHやヒューナーテスト,さらに排卵誘発療法患者へのcortusの時期を指示するために不可欠であった。そこで,超音波を用いて排卵の瞬間をとらえ,排卵前の血中および尿中のLH,エストロゲン値の推移と排卵との関係を明らかにすることにより,LHサージ,エストロゲン値の上昇,そして卵胞発育の状態から,時間単位で排卵時期を予測することが可能となっている。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.