臨床研修セミナー 婦人と栄養
Overview
婦人と食生活
豊川 裕之
1
Hiroyuki Toyokawa
1
1東邦大学医学部公衆衛生学
pp.763-767
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208053
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婦人は家庭の健康管理責任者である。たとえ夫が医師であったとしても誰よりも家族の健康状態に気配りしているのは夫より妻である家庭が多い。また同時に,自分自身の健康に対する留意も女性は男性よりも真劔であり,かつ慎重である。この健康の維持・増進に対する意欲がなくては,これほどまでに寿命の性差は大きくならなかったに違いない。しかし,その女性でさえも健康や食事に対する配慮が薄れる年頃がある。それは青年期である。勿論,青年期の男女を比較するとき,やはり女性の方が男性よりもすぐれている。しかし近頃では,女性であっても青年期の食生活が乱れるようになっている。神経性食思不振症の患者が近年増加しているが,その患者は氷山の一角であり,その病気の予備軍(ハイ・リスク者)が氷山の海面下の量ほどに多数いると考えるべきである。
本稿では,婦人の食生活を年齢別に比較する。
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