特集 勤労婦人の保健
婦人の貧血
古谷 博
1
1東大
pp.285-288
発行日 1970年5月15日
Published Date 1970/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204072
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はじめに
貧血とは一定量の血液中にある赤血球数または血色素量が,正常値より低下している場合をいう.赤血球は平均120日の寿命をもつと交代し,体重70kgの成人では1時間ごとに9×109個の赤血球が消失し,また,新生されていて,旺盛な細胞分裂を伴った赤血球産生が営まれている.造血の行なわれる骨髄では正常時の6〜8倍の造赤血球予備能力があるから,一時的に少量の出血があっても永続的な貧血としては現われてこないものである.
しかし今日,婦人の血液性状を広く調べてみると,貧血者が男子の数倍もみいだされているが,これははたして婦人としての正常な状態なのであろうか.またはよってくる原因があるのであろうかが問題である.
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