特集 超音波診断—最近の進歩
超音波診断法と画像処理—胎児立体視への試み
馬場 一憲
1,5
,
佐藤 和雄
1
,
坂元 正一
1
,
岡井 崇
2
,
水野 正彦
2
,
石井 繁夫
3
,
古川 俊之
4
Kazunori Baba
1,5
,
Takashi Okai
2
,
Masahiko Mizuno
2
,
Shigeo Ishii
3
,
Toshiyuki Furukawa
4
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
2東京大学医学部産科婦人科学教室
3東京大学医学部情報処理室
4東京大学医学部医用電子研究施設
5現:東京大学医学部医用電子研究施設
pp.523-527
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208011
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現代の超音波診断装置は,プローブを当てるだけで簡単に胎児の断層像を得ることができる。このような電子走査型の超音波診断装置が容易に手に入るようになって,約10年である。この間,装置の進歩は目覚ましく,当初,胎児の頭部と体部がようやく区別できる程度であったものが,分解能が上がり(像が細かく見えるようになり),階調性が上がり(像の濃淡の微妙な差も表示され),表示される像の理解は格段に容易になった。
妊娠20週を過ぎると胎児の目鼻立ちもはっきりしてくるため,断層像で顔の部分を写しだすこともできる。一例として,図1に妊娠28週の胎児の顔の超音波断層像を示す。しかし表示画像は一見リアルであるが,実際には丸みを帯びている顔を平面という断層像で観察しているため,現実の顔の形からは,かけ離れたものである(図2)。
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