原著
妊娠糖尿病のスクリーニング時期について
有澤 正義
1
,
藤田 富雄
1
,
木戸口 公一
1
Masayoshi Arizawa
1
1大阪府立母子保健総合医療センター母性内科
pp.814-818
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904888
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妊娠糖尿病のスクリーニングでの75gOGTTをいつの時期に実施すべきかを,同一人物で1回の妊娠で2回の75gOGTTを施行した症例の耐糖能の2回の変化にもとづいて検討した。比較する週数として第一回目の75gOGTTが16週未満と,悪阻の影響が消えると考えられる16週以降に分けて検討した。第一回目が16週未満に施行された症例の一回目と二回目の耐糖能の評価の一致率は第一回目が16週以後に施行された症例と比べると悪かった。また,第一回目が16週未満に施行された症例のなかで第一回目と第二回目が一致しないものに高率に妊娠悪阻の合併が認められた。第一回目が16週以後に施行された症例のなかで第一回目と第二回目が一致しないものにもなんらかの理由が確認されたが,不一致率は第一回目が16週未満に施行された症例と比べると有意に少なかった。妊娠糖尿病のスクリーニングの時期としては妊娠16週を過ぎたなるべく早い時期が良いのではないかと考えられた。
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