今月の臨床 不育症—その対策のすべて
検査・診断の進め方
18.血液凝固検査の必要性とタイミング
木戸口 公一
1
,
藤田 富雄
1
,
和田 芳直
1
,
新田 豊
1
Kinichi Kidoguchi
1
1府立母子保健総合医療センター周産期第4部(母性内科)
pp.62-63
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900271
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最近は,血液凝固・線溶の各種制御蛋白の構造と機能について次々と新しい知見が得られている。従来の凝固因子に加えて,アンチトロンビンⅢ(ATⅢ),プロテインC・S(PC,PS)の生体内ではたす役割りは,抗凝固因子系として重要であることが解明され,また血管内皮上に形成されるトロンビンートロンボモジュリン複合体に代表される“血管壁”の調節機能が注目されている。
血液凝固制御機構の先天性異常により,出血傾向よりもむしろ血栓傾向の生じることが少なくないこと,またそれが臨床的にも重要であることは,ここ10年間の研究からあきらかとなっている。
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