先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
生殖医学の進歩
生殖における免疫因子の統御解除—とくに反復流産治療を中心に
八神 喜昭
1
,
青木 耕治
1
Yoshiaki Yagami
1
,
Koji Aoki
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
pp.219-221
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207352
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母体にとっては異物である胎児が生着し,妊娠を継続することは,母児間に特殊な免疫学的維持機構が働いており,その破綻によって流産が生じるとの考え方は,極めて魅力的であり,これに関する多くの研究がなされてきた1)。
最近,ヒト主要組織適合遺伝子複合体であるHLA抗原系の夫婦間における類似性の存在が,妊婦における生着反応としてのblocking antibodiesの産生を妨げ,これが胎児の生存にとって免疫学的に好ましくなく,習慣流産の免疫学的原因となるとの学説が注目されている2)。
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