輸血検査メモ
習慣流産と免疫療法
青木 耕治
1
1名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.172-173
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903129
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●習慣流産
3回以上連続する習慣流産は決してまれな疾患ではない.近年の英国の女性医師を対象とした調査によれば,妊娠した女医の約1%が,筆者らの調査では,約3%の妊婦が3回連続流産を経験していた.そして,すでに周知の事実であるが,連続流産回数が増すに従って,その後の流産率の上昇が認められている.
習慣流産の原因については,胎芽の染色体異常が約10〜20%,子宮異常が約10%,内分泌異常が約10%(ただし内分泌異常は同種免疫異常と連動しているようである),自己免疫異常が約10%(ただし筆者らの調査結果によると,抗核抗体陽性のみでは流産発症の予知にはなりえない1))を占めているようであるが,50%以上はNK(ナチュラルキラー)細胞活性の異常高値2)を含めた同種免疫内分泌異常によるものであると推定される.
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