特集 生殖免疫
免疫学的不妊症
佐治 文隆
1
,
谷澤 修
1
Fumitaka Saji
1
,
Osamu Tanizawa
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.1073-1077
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207903
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挙児を希望するにもかかわらず,約10%の夫婦は不妊症である。さらにこれら不妊夫婦の10〜20%は原因が特定できない不妊症であり,おそらく精子機能異常,受精不全,初期胚発育不全あるいは着床不全などに起因するものと考えられている。これら原因不明不妊症のうち,約20%が免疫因子によって起こる「免疫学的不妊症」と推定される。
女性の生殖器である腟,子宮内膜,卵管,卵巣あるいは腹腔は,その生涯を通じて種々の抗原刺激にさらされる。女性生殖器に侵入する抗原には,少なくとも以下の4種がある。
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