原著
VUE(Villitis of Unknown Etiology)の周産期における意義
今井 史郎
1
,
中山 雅弘
2
Shiro Imai
1
,
Masahiro Nakayama
2
1大阪府立母子保健総合医療センター,産科
2大阪府立母子保健総合医療センター,病理
pp.863-867
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207868
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1,999例の胎盤病理検索から原因不明の絨毛炎(VUE)82例を抽出し,VUEの周産期事象を検討し以下の結果を得た。
1) VUEの発現頻度は4.1%であった。
2) VUEの平均分娩週数は37.1±3.6週であり,流産は1例(1.2%),早産29例(35.4%),正期産52例(63.4%)であった。
3) VUEの平均出生体重(±1SD)は2,078±690mg,2,500mg未満の低出生体重児は70.6%(60/85)であった。
4)出生体重でみたVUEの発育度は−1.5SD以下が70.2%(59/84)を占め,胎児発育障害の割合が高かった。またプラスの発育度を示す率は17.9%(15/84)にすぎなかった。
5) VUEの帝切率は43.9%(36/82)と高値を示した。
6) VUEの妊娠中毒症合併率は34.1%(27/82)であり非VUEと比べ有意に高かった(P<0.005)。
7) VUEの児奇形合併率は21.2%(18/85)であり,非VUEと比較し,有意に高率であった(P<0.01)。
8) VUEの胎児・新生児死亡率は10.6%(9/85)と高値であった。
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